ケンタッキーで酒を飲む。
これをしたいと思っている人は意外に多いのではないか。
熱々のまだ湯気が立ち上っているチキン、食欲をそそる豊かな芳香を鼻腔一杯に嗅ぎながら
パリバリした皮の旨味と、肉汁をきっちり閉じ込めた桃色肉を噛みしだき、

うめぇ♪

と、感涙一歩手前のところで、
ほどよく冷えたビールを ぐびぐびっとやる。


うめーーー!

となること請け合いだ。

しかし、これは容易ではない。
ケンタの店にはアルコールは置いていないから。
必然的に、テイクアウトして自宅ですることになるのだが、
一瞬であっても箱に入った時点で、あの皮のパリバリ感は失われ、期待値が高すぎる分だけ落胆も大きい。

3500万ケンタッキーファンの積年の夢が叶う場所、通称?大人のケンタがオーブンしたのは、日経の小さな囲み記事で知った。

初日に行くべきだったが、大人には事情というものがあり、行こうと思ってすぐ行けるわけでもない。
そこで一月後に満をじして出掛けた。

旨かった。
飲みに飲んだ。
はしゃぎすぎた。


お会計


人生ではじめて


ケンタで




六万、払った。